CROOJAの「MANTIS」は可変キャンバーで人気の高いモデルらしい。
そんなボードをグラトリ初心者が使用したらどんな感触になるのだろうか?
と言うことで、ホワイトピアたかすで開催された試乗会で実際に試乗してきました。
MANTISはスライドさせやすくグラトリ初心者レベルの私でも扱いやすいモデルでした。
カービングの安定感:
グラトリと遊びやすさ:
中級者の扱いやすさ:
トータルコスパ:
身長162cm 体重53kg
愛用ボード OGASAKA FC 154
ブーツ RIDE RASSO PRO WIDE 25.0cm
バイン FLUX XF (S)
【CROOJA】25-26MANTIS試乗評価レビュー!台形キャンバーの操作性に迫る

2025年3月中旬にホワイトピアたかすで開催されたグラトリ向けモデルを集めた試乗会でCROOJA 25-26 MANTISに試乗しました。同じブランドのLOUCUSTとの違いを感じられる試乗に期待感が高まるのでした。
ホワイトピアたかすの試乗会でCROOJA 25-26 MANTISに試乗

ホワイトピアたかすで開催された試乗会は悪天候にも関わらず多くのスノーボーダーでにぎわっています。
そんな中で私がこれから試乗するボードはCROOJAのMANTIS148です。

このMANTISは可変キャンバーでCROOJAのキャンバーモデルのLOUCUSTとは同じアウトラインなんだとか。
キャンバー構造のLOUCUSTに試乗した直後なので可変キャンバーのMANTISの違いがよく感じ取れそうです。
CROOJAのキャンバーモデルのLOUCUSTの試乗レビュー記事はコチラ
まずはMANTISのボード全体を観察してみます。

アラビア風の植物や幾何学模様を組み合わせたようなアラベスク模様のデザインがLOUCUSTとは違いがありますね。

ソールもトップシートのグラフィックを印象付けるデザインになっています。
可変キャンバーと言うことでボードの横からアーチ形状を見てみると、キャンバーはあまり高くなくて短く、フラット部分が割と長いように見えます。

バインディングを取付けると写真のような印象になりました。

まずはボードを履いてリフト乗り場までワンフットスケーティングで感触を確かめます。
ワンフットスケーティングしてみると、ボードが軽くて取り回しもしやすいです。
ただ、LOUCUSTとの違いはあまり感じられない、と言うか私のレベルでは分からないです(笑)
リフトに乗ってみると、MANTISもLOUCUST同様に軽いですね。

さすがのグラトリボードです。
CROOJA MANTISのフレックスとトーションはしなやか

リフトを降りたらまずはフラットバーンでフレックスとトーションを確かめます。
ノーズ、テールと体重をかけると柔らかくしなってくれます。
フレックスは柔らかいけどグニャグニャな訳ではなくてしっかりと粘って耐えてくれる。
足を交互にねじってみると、トーションも効かせやすいです。
LOUCUSTと同じくらいにしなやかです。
ただ、MANTISの方が台形キャンバーでフラット部分があるのでプレスして端に体重を乗せていった時に少し安定感があるように感じました。
わずかな感覚の差ではありますが、技術のあるグラトラーであれば弾き系トリックの時の踏み足の細かな場所も変わってくるのでしょう。
続いては滑りの操作性を確認してみましょう。
CROOJA MANTISのグラトリとターン性能は?

試乗会の天候は雨と視界を遮る霧。
雪は水分を含んで柔らかくシャバシャバで柔らかいコンディション。
そんな中でMANTISの操作性を確かめていきます。
緩斜面を木の葉滑りのように滑り降りながら足を交互に入れ替えてみると…
MANTISはスライド操作しやすい。
エッジが噛むような引っかかりがなく、スイングウエイトも軽くて操作性もいいです。
可変キャンバー構造なだけあって、キャンバー形状のLOUCUSTよりもノーズとテールが短く感じてずらしやすい。
同じアウトラインで同じ148cmのボードでありながらも、可変キャンバーのMANTISとキャンバーのLOUCUSTの明らかな操作性の違いを感じ取れます。
次にドライブスピンの操作性も確かめてみます。
トウを引っ掛けて上半身を先行させて回してみるとボードがスムーズに付いてきて回ってくれます。
ボード自体が軽量なのでスイングウエイトも軽くて回しやすいです。
エッジの引っかかりが少なくて逆エッジの恐怖感が軽減されるから初心者レベルの私でも扱いやすい。
さすがグラトリ向けモデル。
練習中のオーウェンにも挑戦。
私はまだプレスのポジションが安定しなくておぼつかないレベルなんですが、グーフィーのヒールサイドターンからノーズ側に重心を寄せてボードを回して270度回して…
エッジが引っかかりにくくボードがずらしやすいから左右の足の乗せ換えもやりやすい。
可変キャンバーだから足下のだけが接雪しているような感触で初心者レベルの私でも扱いやすい。
初心者レベルだと、左右の体重の乗せ換えだけでも逆エッジの恐怖心で思い切って動けなかったりするんですよね。
でも、MANTISはボードがしなやかで体重移動もしやすくスライド操作もやりやすいから思い切ってチャレンジできます。
MANTISのターン性能も確認。
ターンしてみると、ボードはスムーズに反応してくれるし軽快な操作性。
そこまで不安定でもなくターンできます。
ハイスピードなら、LOUCUSTの方がキャンバーなだけあって安定するかもなぁくらいの違いでした。
MANTISは可変キャンバーという足下の操作性を高めた構造でグラトリ初心者レベルの私でも安心して操作できるモデルでした。
これからグラトリに挑戦したい人からグラトリのレベルアップを目指したい人まで幅広くニーズに答えてくれるモデルなのだと実感しました。
40点エッジの噛みやすい柔らかいバーンであれば気持ちよくカービングできるが、ハードバーンでは不安が残る
80点しなやかなフレックスと台形キャンバー形状でスライド操作しやすい
80点軽量なボードでグラトリの操作性も良く滑らかなターン性能で扱いやすい
80点グラトリボードでありながらもターンが極端に不安定なわけでもなく、地形遊びも楽しめそうで完成度は高い
この評価は、私(こくだん)個人の「カービング中級レベル、グラトリ初心者レベル」という独自の体感に基づいています。一般的なプロやスペック評価ではなく、中級者が『乗りこなせるか、楽しめるか』というリアルな視点を最重視して点数化しています
こくだんスノーボードの全試乗モデルが一覧になったページはコチラをチェック!
試乗したMANTISとカタログスペック表を比較検証

私の体感したレビューに対してCROOJAのカタログスペック表で調べた共通テクノロジーを照らし合わせることで、MANTISの真の姿と、キャンバーモデルのLOUCUSTとの操作性の違いを解き明かしていきたいと思います。
1. MANTISが持つグラトリ初心者に優しい「しなやかさ」と「逆エッジ軽減」の正体
MANTISの試乗で感じた柔らかくしなやかなフレックスと操作性はCROOJAの全てのモデルに共通して搭載されているテクノロジーを確認することで明らかになりそうです。

MANTISを含むCROOJAモデルは「bamboo hybrid core(竹ハイブリッドコア)」を採用しています。軽量かつしなりに強い竹を芯材に織り交ぜることで、しなやかな反発が得られます。私は弾き系の技術が乏しいので反発を上手く感じ取れませんでしたが、「柔らかいけど粘って耐えてくれる」という感触は得られました。まさしくその感触の正体はコアと言えます。

LOUCUSTにもMANTISにも共通して「beveling(1.5°のビベル)」が施されています。この加工により、トリックやフリーラン時の逆エッジのリスクを軽減。1.5°という絶妙な数値にも注目です。
このことから、MANTISとLOUCUSTの操作性の違いは、フレックスや共通技術ではなく、キャンバー形状そのものにありそうです。
2. LOUCUSTとの明らかな差を生むMANTISの「可変キャンバー(Hybrid Camber)」
共通のスペックを持つMANTISとLOUCUSTの間で、感じた操作性の明らかな違いは、キャンバー構造の違いであると推測します。

MANTISはHybrid Camber(可変キャンバー)であり、キャンバー部が短く、フラット部分が長い構造です。可変キャンバー構造は、ボードの接雪長がキャンバーモデルよりも短く感じられるため、LOUCUSTよりも「ノーズとテールが短く感じてずらしやすい」という操作性の違いになります。
この可変キャンバー構造が、足元だけが雪面に接しているような感触と、エッジの引っかかりの少なさを生み出し、「初心者レベルの私でも扱いやすい」と言う感触につながっていたのでしょう。
3. CROOJA MANTISのサイズを確認
MANTISはLOUCUSTと同じアウトラインと聞いたことはありましたが、有効エッジと接雪長は違いがあることを見つけました。
これにより、キャンバー構造の違いだけでないことにも注目して比較したいと思います。
細かなスペックを見ることで、MANTISの特性が分かります。
| サイズ | 有効エッジ | 接雪長 | ノーズ・テール幅 | ウエスト幅 | サイドカーブ | スタンス幅 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 148 | 1160 | 1140 | 283 | 244 | 7.75 | 48-56 |
| 150 | 1160 | 1140 | 285 | 246 | 8.1 | 49-57 |
| 152 | 1200 | 1180 | 286 | 247 | 8.35 | 50-58 |
| 154 | 1200 | 1180 | 288 | 248 | 8.45 | 52-60 |
| 156 | 1220 | 1200 | 290 | 250 | 8.75 | 53-61 |
私が試乗した148cmのMANTISとLOUCUST。
全く同じアウトラインと思いきや、有効エッジと接雪長はMANTISの方が2cm長かったのです。
可変キャンバーというフラット部分があることで有効エッジも接雪長も長くなっているのでしょう。
MANTISもある程度のターン性能を保っているのはこの数値に現れているのかも。
ちなみに、私が普段使用しているOGASAKA FC 154のウエスト幅は246mm。
私が試乗したMANTIS 148cm(ウエスト幅244mm)との差は2mm。
グラトリボードで極端に細すぎないウエスト幅とは言え、244mm。
ターンが極端に不安定にならない理由は絶妙なアウトラインとフレックスも影響しているのではと考えられます。
3. こくだんが考えるMANTISのトータルコスパは?グラトリ初心者で乗れる?
グラトリ初心者から見ると、MANTISは「逆エッジの恐怖心を共通技術(ビベル)で和らげ、ステップアップを可変キャンバーで加速してくれる」最高の入門モデルになると思います。
しかも、トップレベルのグラトラーにも人気の高いモデル。
中級カーバーの視点で見るとカービングの安定感は譲るものの、グラトリを本格的に始めたいと決意した際の「投資価値」は非常に高いモデルだと言えますね。
最終結論:CROOJA MANTISのトータルコスパは?
MANTISの真のコスパは、CROOJAの「最軽量×可変キャンバー」というグラトリ特化技術にあります。「グラトリの練習をしながら、ターン性能もそこまで妥協したくない中級者」にとっては、高い完成度を持つ一本だと思えます。
【CROOJA】25-26MANTIS試乗評価レビュー!台形キャンバーの操作性に迫るを総括
CROOJA MANTISを試乗し、LOUCUSTとの比較、そしてカタログスペックの検証を通じて、私は最初の疑問の答えを見つけました。
「グラトリ初心者の私でも扱えるのだろうか?」という問いに対し、MANTISは「逆エッジの恐怖を和らげ、ステップアップを優しくサポートしてくれる最高の入門機である」と言えます。
【グラトリ初心者が感じたメリット】
共通のビベル加工と竹ハイブリッドコアが、逆エッジのリスクを軽減しつつ、柔らかいのに粘る安心感を提供します。操作性の違いは、可変キャンバーによる「ずらしやすさ」と、1600mmの有効エッジによる「安定性」が決め手でした。
【中級カーバーの視点】
カービングの安定感は譲るものの、その「最軽量×可変キャンバー×有効エッジ」というグラトリ特化技術が、グラトリを本格的に始める上での高い投資価値を生み出しています。
CROOJA MANTISは、グラトリの世界へ踏み出す初心者にとって、不安なく遊び込める「遊びやすさ」と「高い完成度」を両立した一本だと思います。
最終結論!CROOJA MANTISのオリジナル評価は以下をご覧ください。
40点エッジの噛みやすい柔らかいバーンであれば気持ちよくカービングできるが、ハードバーンでは不安が残る
80点しなやかなフレックスと台形キャンバー形状でスライド操作しやすい
80点軽量なボードでグラトリの操作性も良く滑らかなターン性能で扱いやすい
80点グラトリボードでありながらもターンが極端に不安定なわけでもなく、地形遊びも楽しめそうで完成度は高い
この評価は、私(こくだん)個人の「カービング中級レベル、グラトリ初心者レベル」という独自の体感に基づいています。一般的なプロやスペック評価ではなく、中級者が『乗りこなせるか、楽しめるか』というリアルな視点を最重視して点数化しています
こくだんスノーボードの全試乗モデルが一覧になったページはコチラをチェック!














