【コスパ賢者の思考】ゲレンデで遭遇した「安全第一」のヘルメットに、消費の本質を学んだ話

「頭を守る。その目的以外に、私たちは何にお金を払っているのか?」
「……その答えを、リフト待ちで遭遇した『あるスキーヤー』が教えてくれました。」
こんにちは、節約家スノーボーダーのこくだんです。
皆さんはスノーボードのアイテムを選ぶとき、何を基準にしていますか?
「デザインがカッコいいから」
「みんなが使っているブランドだから」
そんな理由で選ぶのが普通ですよね。
私も自分では「コスパ賢者」として豊かな人生を歩めるよう、機能と価格のバランスを極限まで考えた選択をしてきたつもりでした。
しかし、とあるスキー場のリフト待ちで、私の価値観を根底から揺さぶる「あるスキーヤー」に出会ったのです。
今回は、その衝撃的な体験から見えてきた「私たちが本当にお金を払っているものの正体」について深掘りしたいと思います。
衝撃の出会い:リフト待ちに現れた「究極の形」
その日は快晴。
リフト待ちの列に並んでいると、私の前には仲間で訪れたのであろう4人組のスキーヤーがいました。
最近は安全意識の高まりもあり、全員がヘルメットを着用しています。
アイテムを観察することが好きの私は、つい人の装備をチェックしてしまうのですが、その中の一人に目が釘付けになりました。
「…なんだあの形、見たことがないブランドだぞ?」
そのヘルメットは、スノーボード界で人気の「Sandbox(サンドボックス)」のようなツバ付きでもなく、レーシング用でもない、一人だけ頭が浮き上がっているような独特の盛り上がりを見せていました。
気になって目を凝らし、後頭部付近をよく見てみると、そこには緑色の「十字マーク」と鮮やかな4文字が刻まれていたのです。
「安 全 第 一」
そうです。
彼は専用のスキーヘルメットではなく、工事現場や屋外作業で使われる、いわゆる「ドカヘル」を被っていたのです。
「頭を守る」という目的を削ぎ落とした先にあるもの
一瞬、笑いそうになった私。
そのまま進みながらリフトに乗車します。
しかし、リフトに揺られながら少し先を行くリフトに乗るスキーヤーのヘルメットを見つめながら自問自答をするのでした。
「なぜ私は、専用ヘルメットを被るのが当然だと思い込んでいないか?」
私が愛用しているのは、namelessage(ネームレスエイジ)のツバ付きヘルメット。
サンドボックスの形状に酷似していながら価格は半値以下。
私は「機能が変わらないなら安い方を選ぶのが賢い」と考えてこれを選びました。
しかし、目の前の彼はさらにその先を行っていました。
ヘルメットを被る本質的な目的は、「転倒時の衝撃から頭部を守る」こと。
その一点において、あのスキーヤーは余分なマーケティングやファッション性をすべて削ぎ落とし、実用性のみを選択していたのです。
ここで、少し冷静に「規格」という側面から両者を比較してみましょう。
【コラム】作業用とスポーツ用、規格はどう違う?
「作業用で本当に大丈夫なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
実は、求められる性能には以下のような違いがあります。
| 項目 | 作業用ヘルメット(JIS規格等) | スポーツ用ヘルメット(CE/ASTM規格等) |
| 主な想定衝撃 | 上部からの「飛来・落下物」 | 転倒による「水平方向への衝突」 |
| 通気・防寒 | 夏場の熱中症対策を重視 | 雪山の防寒と適度な換気 |
| 保持構造 | 顎紐に加え、頭を包む内装(ハンモック) | 厚いEPS(発泡スチロール)とライナー |
厳密には、スポーツ用は「滑走中の衝突」を想定して設計されているため、スキー場では専用品が推奨されます。
しかし、「何も被らないよりは、頭を守る目的を達成している」という点では、彼の選択は一つの正解に辿り着いています。
私たちは「マーケティング」にお金を払っているのか
彼がなぜそのヘルメットを選んだのか、理由は分かりません。
・急に誘われて、手元にある仕事用で代用した?
・年に一度しか行かないから、投資を最小限にした?
・あえて「安全第一」というスタイルを貫くシュールなジョーク?
真相は不明ですが、私が自分自身に投げかけた問いは奥が深いのでした。
「自分で選んでいるつもりになっているが、実はマーケティングに思考を書き換えられているだけではないか?」
「スノーボーダーならこういう格好がクールだ」
「このブランドなら一目置かれる」
そんな無意識のノイズが、私たちの「購入基準」の定義を狂わせているのかもしれません。
ドカヘルという究極の合理性を知った上で、私が悩みに悩んで出した『スタイルとコスパの最適解』はこちらの記事で紹介しています。
結論:コスパ賢者への道
正直に言います。
私はこれからも「安全第一」のヘルメットで滑ることはないでしょう(笑)。
やはりゲレンデでは、スノーボードの世界観を楽しみたいし、ファッションとしての満足感も捨てられないからです。
しかし、今回の体験で私の「コスパ賢者」としての視座は一段高くなりました。
「自分が今払っているお金は、機能に対するものか、それとも自分の自尊心や見栄に対するものか」
これを自覚した上で、あえて「見栄」に数千円を払うのは、納得感のある消費です。
一番怖いのは、無自覚に「専用品でなければならない」という常識に縛られること。
皆さんも次にアイテムを買い替えるとき、一度だけ自分に問いかけてみてください。
「もしこの世に自分一人しかいなかったら、私はこれを選びますか?」
それこそが、この先も10年、20年と続く豊かなスノーボードライフを送るための「コスパ哲学、コスパ賢者への道」につながるのでではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか。
この記事が皆さんの「賢い買い物」のヒントになれば幸いです。













