節約家スノーボーダーの『こくだん』です。
私が人生哲学として掲げる「費用対効果MAX」とは、単に安く済ませることではありません。
「時間、労力、そして他者の目というムダなコストを徹底的に排除し、自分自身が最高の満足を得られるものに投資する」ことです。
その哲学の原点は、昭和一桁生まれの祖母にあります。
マイペースでちょっぴり自分勝手。
たまにツッコミを入れたくなることもあるオモシロおばあちゃんですが、誰よりも正直に「自分が満足するもの」を追求して生きています。
今回、90代の祖母と「歩きやすい靴」を探しに大型ショッピングモールに行ったとき、私はその哲学を再認識しました。
ブランドや世間の常識、そして「大人なのに子供靴?」という他者の目線。祖母は、それらすべてをムダなコストとして切り捨て、自分の足の感覚という「最高の満足」に忠実にコストを払ったのです。
そんなちょっぴり笑える祖母とのリアルな靴選びのエピソードを通して、「ムダなコスト」に縛られず、真に満足できるモノ選びをするための哲学をお伝えします。
靴を買いたいんだがなぁ…
他の記事には何書いたんだぁ?
90代の祖母とイオンへ!夏の猛暑と広い駐車場という最初の壁
梅雨が明けて暑さが日増しに厳しくなってきたとある日のエピソードです。
「雨の日に病院に行ったら靴がビショビショになったから、新しい靴が欲しいんだけど行けるか?」
この日はおばあちゃんからのお願いが。
90歳オーバーで1人で病院に歩いて行くなんて大したもんです。
靴が欲しいならその意欲に任せて連れて行ってあてようじゃないですか~~
早速、買いに行く準備。まずは行き先を話し合います。といっても近くのお店は限りがあるので迷わずサクサク決まる。
行き先はイオンに決定。大型ショッピングモールはとにかく広くて高齢のおばあちゃんには移動の難易度が高め。スーパーのように買い物カートも使えないのでこの日は杖を持って行きます。
車に乗り込んでいざ、出発!
そして10分ほどで目的地イオンに到着。
皆さんはイオンって行ったことあります ?イオンの駐車場って場所によって立体駐車場だったり平面の駐車場がやたら広かったり。
私の行くイオンは田舎のだだっ広〜~い土地に構えられてるから駐車場がやたらと広く歩いてお店に入るまでにも一苦労。
入り口近くの駐車場はやっぱり空いていない…空いている場所は入り口から離れているし遠いけどしょうがないかぁ。
この日は7月末。
車を降りると強い日差しがジリジリと体に降り注ぎ、暖房に当たっているのかと勘違いさせるような熱風が吹き抜けていきます。
杖をつくおばあちゃんに付き添いながらやっとの思いでイオンの中に入ります。
まさかのスケッチャーズ!? 90代の自由すぎる靴選び
店内は冷房も効いていて外とは別空間。
気を取り直してイオンの中を回ります。
まずおばあちゃんの目に留まったのがスケッチャーズのショップ。
おばあちゃんは気の向くままに店内に入っていきます。
マジか!
おばあちゃん、シャレた靴に興味を示すなぁ~。
ただおばあちゃんの足のサイズは22cm。合うサイズは簡単には見つからないのではと思いながら店内を眺めます。
まぁ、おばあちゃんが興味を示すものは見させてあげたいし、これも高齢者には良い刺激。そう思って私もおばあちゃんの後ろをついて歩きます。
店員さんは「ご自由にどおぞ〜」なんて声かけてきます。
靴を選んでるのは私じゃなくて90歳オーバーのおばあちゃんなんだけど、そうは思わないかな?
90歳のばあさんがスケッチャーズを選んでいるって気付く人も少ないか(笑)
おばあちゃんがスケッチャーズの靴を手に取っている姿は微笑ましい。
そう思いながら店内を回るのですが、満足する靴が見つからなかったので次のお店を探すことにします。
杖は預かり物!好奇心旺盛な祖母と試練のエスカレーター
次に向かうお店は2階になるので、エスカレーターを使います。
エスカレーター。おばあちゃんはいつぶりに使うんだろうか。
一人で乗れるのかな…ちょっと心配。
そう思いながら進んでいくと徐々にエスカレーターが私たちに迫ってきます。
エスカレーターって足を乗せる場所が動いている速さが高齢者にとっては勢いが良いと言うか、結構早いんですよね。
おばあちゃんが転ばないように私も横について一緒に乗り込みます。
勢い良く動くエスカレーターの動きに合わせて~
せーの、はい!
1歩、2歩。
おう!乗れた~。やるやんおばあちゃん。
乗ったら次は降りなきゃいかんのですが、私の心配をよそにそつなく降りるおばあちゃん。
次に向かったのが ASBee。
おばあちゃんの好みの靴は黒色。目についた靴を手当たり次第に手に取ってきます。
おばあちゃん、好みが黒といってもさぁ、就活用の靴エリアはおばあちゃんの足に合う歩きやすい靴は見つからないと思うよ~。
そう思いながら
「こっちにも良い靴があるんじゃない?」と声をかけて一緒に探します。
カラーとサイズが合う靴が見つからない。手に取った靴がダメなら次の靴。
靴選びが楽しそうなおばあちゃんのテンションもどんどん上がっていきます。
両手で靴を手に取るおばあちゃん。
次の靴が気になるようでどんどん歩いて行く勢いがすごい。
「お前これ持っといてくれ」
手渡したのは杖!
杖を私に手渡してどんどん歩いていくおばあちゃん…
杖を持っている私は一体、何者なのか…
【祖母の教訓】「座らずに履く」マイペースさに見る、満足度を優先する哲学
気を取り直して店内を回るも気に入る靴が見つからないものですねぇ。
おばあちゃんの足は22cm。
サイズが合わないので今度は子供用の靴にしようと提案。
子供サイズの靴売り場で私も一緒に探します。
何足かの中からめぼしい靴を見つけて試し履き。
「よし、これにするか」
「靴は履いた感覚をたしかめることが大切だから履いてみな」
「おう、じゃあ 履けばええだな」
そう言って、その場で立って靴を履こうとするおばあちゃん
その時、一瞬
ふらっ…
反射的に支えようと手が伸びます。
何事もなかったような表情のおばあちゃん。
お〜い、頼むから座って靴を履いてくれよ〜。
「座って靴を履ける場所があるから、そこに座っていいんだよ」
「おう、そうか」
促されるままに座って靴を履くおばあちゃん。
最終的に選んだ靴:サイズと感覚で決める「納得の1足」
履いて、実際に歩いてみたら割といい感じ。
ただ 22cm だと少し大きいような気がするというおばあちゃんのために
21.5cm の靴も持ってきて履き比べをします。
結局 選んだ靴は 22cmのコレ

履き比べて納得して1足の靴を選べました。
高齢者には歩きやすい靴がいいですもんね。
納得できる靴は見つかっておばあちゃんも満足そう。
このまま帰宅するのですが、せっかくなのでイオンの中を一回り。

いくつになっても女性はきらびやかなものが好きなんですね~。
アクセサリーに興味を示す90歳オーバーのおばあちゃんにちょっと笑ってしまう私でした。
周りの目をコストにしない!祖母から学んだ「費用対効果MAX」なモノ選び
おばあちゃんは子供用の靴でも気にすることなく、実際に履き比べた感覚を大切にして靴を選びました。
大人なのに子供用の靴なんて…
と周囲からどう見られるのかを気にして選んでしまうものです。
ただ、おばあちゃんは違いました。
周りの評価を気にするのではなく、自分が満足するものにコストを払ったのです。
足るを知る者は富むと言いますが、自分にとってどのようなモノが自分自身を満足させるのかを理解している証拠です。
周囲の目を気にして選んだモノは本当に自分の欲しい満足のいくモノなのでしょうか?
そんな問いを考えるリアルな体験だったのです。
今回のおばあちゃんの買い物は、自分を満足されられるモノ選びを考えさせられるコスパMAXの人生につながる機会となったのでした。











